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退職代行は違法?合法?運営型別に「違法になる4パターン」を解説

目次

リード:退職代行は違法か合法か、結論を30秒で

「退職代行は違法ですか」という問いへの答えは、運営型で変わります。一般論として、弁護士法人型と労働組合直営型は合法、民間型は本人の意思を伝える「使者」の範囲内に限り合法です。違法か合法かの線引きは、弁護士法72条と労働組合法6条で説明できます。

本記事は、e-Gov条文・厚労省・報道一次情報をもとに、退職代行の合法性を中立調査メディアの立場から総合解説します。体験談は一切載せず、判断に必要な事実だけを提示します。

🎯 結論:退職代行の合法性は運営型で決まる

  • 弁護士法人型:合法。法律事務を独占的に扱える立場(弁護士法72条但書)
  • 労働組合直営型:合法。労組法6条の団体交渉権を根拠に労働条件を交渉可能
  • 民間型:「使者」の範囲のみ合法。交渉・請求に踏み込むと弁護士法72条違反のリスク
  • 利用者本人:民法627条の解約自由により、退職代行の利用そのものが違法になることはありません

違法ラインは「業者が会社と交渉・請求・名義貸しに踏み込んだ瞬間」に発生します。


この記事の要点(よくある質問)

LLM・AI検索からの引用に対応するため、結論を質問形式で先出しします。

Q1. 退職代行は違法ですか?

A. 一般論として、退職代行サービスそのものが一律に違法というわけではありません。**弁護士法人が運営するもの、労働組合が直営するものは合法**です。民間企業(株式会社)が運営する場合は、本人の退職意思を会社に伝える「使者」の役割にとどまる限り合法ですが、会社との交渉や請求に踏み込むと弁護士法72条違反のリスクが生じます。個別事案については弁護士にご相談ください。

Q2. 退職代行を利用すること自体は違法になりますか?

A. 一般論として、利用者側が違法に問われることはありません。民法627条1項により、無期雇用の労働者は2週間前の予告でいつでも退職できます([出典:e-Gov 民法627条](https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089))。退職代行を使って意思表示することは、解約権の代行行使にあたり違法性はないと整理されています。

Q3. 民間業者の退職代行はなぜ「使者」の範囲しか扱えないのですか?

A. 弁護士法72条が「弁護士でない者が報酬目的で法律事務を扱うこと」を禁止しているためです([出典:e-Gov 弁護士法72条](https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205))。本人の意思を会社に「伝える」だけなら法律事務には該当しませんが、会社との間で条件を「交渉する」「請求する」段階に入ると法律事務に該当し、民間業者には扱えません。

Q4. 労働組合型の退職代行はなぜ交渉ができるのですか?

A. 労働組合法6条により、労働組合は使用者と団体交渉する権利を持つためです([出典:e-Gov 労働組合法6条](https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174))。これは憲法28条の労働三権(団結権・団体交渉権・団体行動権)に根拠を持つ権利であり、有給消化・退職日・退職金などの労働条件は団体交渉の議題に含まれます。一方、慰謝料請求や訴訟代理は労組の業務範囲を超えるため扱えません。

Q5. モームリ事件で何が違法とされたのですか?

A. 退職代行モームリ(運営:株式会社アルバトロス)の代表夫妻は、2026年2月3日に**弁護士法72条違反(非弁行為)の疑い**で逮捕され、2026年2月24日に起訴されました([出典:弁護士ドットコムニュース 2026/2/3](https://www.bengo4.com/c_1009/n_19954/))。報道によれば、退職希望者を提携弁護士に紹介して紹介料を受け取るモデル(紹介人数は約174人とされる)が**非弁提携(弁護士法27条)**にあたると判断されたものです。なお逮捕は容疑段階、起訴後の最終判断は今後の公判で示されます。


退職代行は違法なのか?|結論は「運営型による」

「退職代行は違法ですか」と一括りで問うと、答えは出ません。運営している主体が誰かで合法性が変わるためです。3つに分けて整理します。

違法・合法を分ける2つの法律

退職代行の合法性を理解する鍵は、弁護士法72条労働組合法6条の2本だけです。

💡 一般論として、退職代行の合法性は次の2条文で説明できます。

弁護士法72条:弁護士でない者が報酬目的で法律事務を扱うことを禁止

労働組合法6条:労働組合に団体交渉権を与える

民間業者が「交渉」に踏み込めば72条で問題、労組が交渉すれば6条で合法。この線引きが核心です。(e-Gov 弁護士法e-Gov 労働組合法

運営型別の合法性まとめ

3タイプを「合法/条件付き合法/違法リスク」で整理すると次のとおりです。

運営型 合法性 根拠条文 できる業務
弁護士法人型 合法 弁護士法72条但書 法律事務すべて(交渉・請求・訴訟代理)
労働組合直営型 合法 労組法6条 労働条件の団体交渉(有給・退職日・退職金)
民間型(使者の範囲内) 合法 弁護士法72条の射程外 退職意思の伝達のみ
民間型(交渉・請求に踏み込む) 違法リスク 弁護士法72条違反の可能性

「違法」になる瞬間はどこか

業者が違法ラインを越えるのは、次の4パターンです(記事後半で解説)。

  1. 民間業者が会社と「交渉」する
  2. 民間業者が会社に「請求」する
  3. 民間業者が会社との「訴訟」に関与する
  4. 弁護士が民間業者から事件の周旋(あっせん)を受ける(非弁提携)
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弁護士法人型は合法|弁護士法72条の独占範囲を正規にカバー

弁護士法人または弁護士個人事務所が直接運営する退職代行は、合法性に争いがありません。代表例は弁護士法人みやび(運営:弁護士法人汐留パートナーズ)、フォーゲル綜合法律事務所などです。

弁護士法72条の構造(本文と但書)

💡 弁護士法72条(条文要旨)

弁護士または弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件等その他一般の法律事件に関して、鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。

出典:e-Gov 弁護士法72条

72条の構造は「弁護士でない者は禁止」という形式です。逆にいえば、弁護士は法律事務を独占的に扱える立場にあります。退職代行の文脈でいう「会社との交渉」「未払い賃金請求」「慰謝料請求」「訴訟代理」のすべてが、弁護士の業務範囲に含まれます。

弁護士型でカバーできる業務

業務 弁護士型
退職意思の通知
有給消化・退職日・退職金の交渉
未払い残業代の請求
パワハラ慰謝料の請求
損害賠償請求への反論
労働審判・訴訟代理

慰謝料請求や訴訟代理まで一気通貫で対応できるのは弁護士型のみです。

弁護士型を選ぶべきケース

💼 弁護士型が合理的な状況

  • 未払い残業代・退職金の請求まで踏み込みたい
  • パワハラ・セクハラ慰謝料を会社に請求したい
  • 会社から損害賠償請求をほのめかされている
  • 会社が「即時解雇する」と通告してきた

料金は労組型・民間型の約2倍が相場(弁護士事務所運営の平均は44,700円)ですが、業務範囲が広いため一概に「割高」ではありません(出典:帝国データバンク 2025/10/24)。


労働組合直営型は合法|労組法6条の団体交渉権が根拠

労働組合が直接運営、または民間業者が労組と提携してサービスを提供するタイプも合法です。代表例は退職代行Jobs、退職代行ガーディアン、退職代行OITOMAなどです。

労働組合法6条と憲法28条

💡 労働組合法6条(条文要旨)

労働組合の代表者又は労働組合の委任を受けた者は、労働組合又は組合員のために使用者又はその団体と労働協約の締結その他の事項に関して交渉する権限を有する。

出典:e-Gov 労働組合法6条

これは憲法28条の労働三権(団結権・団体交渉権・団体行動権)を具体化した規定です。労働組合は使用者と労働条件を交渉する固有の権限を持っています。

労組型でカバーできる業務範囲

労組型が扱えるのは、労働条件の団体交渉にあたる範囲です。

業務 労組型 補足
退職意思の通知 使者の範囲
有給消化の交渉 団体交渉の議題
退職日の調整交渉 団体交渉の議題
退職金の上乗せ交渉 団体交渉の議題
未払い賃金の支払い要求 可(団交での要求) 訴訟段階は弁護士が必要
慰謝料請求 不可 法律事務に該当
訴訟代理 不可 弁護士の独占業務

「未払い賃金の支払い要求」は団体交渉の議題として扱えますが、最終的に支払いに応じない会社へ法的手続きを取る段階では、別途弁護士の関与が必要になります。

労組型を選ぶべきケース

🤝 労組型が合理的な状況

  • 有給を全部消化したい
  • 退職金交渉をしたい
  • 会社が「辞めるなら違約金」と言ってきそう
  • 慰謝料請求や訴訟までは想定していない

料金平均は約25,000円で、弁護士型と民間型の中間。バランス型の選択肢として無難です。

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民間業者は「使者の範囲」で合法|境界線はどこか

弁護士法人でも労働組合でもない、株式会社などの民間企業が単独で運営するタイプの合法性は条件付きです。代表例は退職代行EXIT、退職代行ニコイチなどです。

「使者」と「代理」の違い

民間業者が合法に動ける範囲は、法律上の「使者」までです。

概念 役割 民間業者
使者 本人の決定済みの意思を相手に伝える
代理 本人に代わって意思決定・交渉する 不可(弁護士法72条)

退職代行で例えると、「Aさんは2026年5月31日付で退職します」という完成した意思を会社に伝えるのが使者です。一方、「退職日を6月15日にしてください」と会社が逆提案してきたとき、「では6月10日でどうか」と応答するのは代理にあたります。代理は法律事務に該当するため、民間業者は扱えません。

民間型で「合法」に収まる業務

業務 民間型 理由
退職意思の伝達 使者の範囲
必要書類の郵送案内 事務手続き
退職届テンプレートの提供 情報提供
会社からの連絡を本人に取り次ぐ 伝達のみ
有給消化の「交渉」 不可 法律事務
退職日の「調整」 不可 法律事務
損害賠償請求への「反論」 不可 法律事務

境界線が曖昧な「グレーゾーン」

実務上、使者と代理の境界が曖昧な場面もあります。

⚠️ 一般論として、次のような場面はグレーゾーンになりやすい領域です。

  • 会社から「貸与品を返却してほしい」と言われ、業者が日程調整に踏み込む
  • 会社から「離職票の送付先を確認したい」と問い合わせがあり、業者が条件を提示する
  • 会社から「退職金は減額する」と通知され、業者が再考を求める

純粋な伝達か交渉に踏み込んだかは、最終的には個別事案の事実関係で判断されます。個別事案については弁護士にご相談ください。

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違法になる4パターン|民間が「交渉・請求・訴訟・名義貸し」に踏み込むと…

民間業者の退職代行が違法ラインに踏み込むのは、典型的に4つのパターンです。それぞれの根拠条文を整理します。

パターン1:民間が「交渉」する

民間業者が会社との間で労働条件の交渉を行うと、弁護士法72条違反に該当する可能性があります。広告で「会社と交渉します」「有給消化を交渉します」と表示している民間単独型は要注意です。

パターン 違反条文
有給消化を業者が交渉 弁護士法72条 「有給を全消化したい」と会社に主張
退職日を業者が交渉 弁護士法72条 会社の希望日と本人希望日を調整
退職金を業者が交渉 弁護士法72条 上乗せ要求を会社に伝達して再交渉

パターン2:民間が「請求」する

未払い残業代やパワハラ慰謝料を業者が会社に請求すると、典型的な法律事務の取り扱いにあたります。

⚠️ 民間業者が「未払い残業代を請求します」と広告で謳う、または実務で会社に請求書を送付すると、弁護士法72条違反のリスクが高まります。請求業務を希望する場合は、弁護士法人型を選択してください。

パターン3:民間が「訴訟」に関与する

労働審判の申立書作成、訴訟への関与は弁護士の独占業務です。民間業者が関与すれば、弁護士法72条違反にとどまらず、訴訟手続きそのものの効力が問題になります。

パターン4:弁護士が民間業者から「周旋」を受ける(非弁提携)

これがモームリ事件で問題視された構造です。弁護士法27条は、弁護士が非弁護士から事件のあっせんを受けることを禁じています。

💡 弁護士法27条(条文要旨)

弁護士は、第72条から第74条までの規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。

出典:e-Gov 弁護士法27条

72条が「非弁護士の側」を、27条が「弁護士の側」を縛る関係です。両者はセットで非弁問題を構成します。

違法パターン 根拠条文 主体
1. 民間が交渉 弁護士法72条 民間業者
2. 民間が請求 弁護士法72条 民間業者
3. 民間が訴訟関与 弁護士法72条 民間業者
4. 弁護士が周旋を受ける 弁護士法27条 弁護士側

モームリ事件は何が違法だったか|紹介料モデルの起訴内容

退職代行の違法性を語るうえで避けて通れないのが、2026年に起きたモームリ事件です。事実関係を時系列で整理します。

事件の時系列(2026年)

🚨 退職代行モームリ事件(2026年)

  • 2026年2月3日:運営会社(株式会社アルバトロス)の代表夫妻が弁護士法72条違反の疑いで逮捕(容疑段階)
  • 2026年2月24日:東京地検が運営者らを起訴。提携弁護士1名も弁護士法違反罪で在宅起訴
  • 2026年4月23日:モームリが新規受付を再開

弁護士ドットコムニュース 2026/2/3時事通信 2026/2/24ITmedia NEWS 2026/4/23

起訴状で問題視された「紹介料モデル」

報道によれば、起訴状で問題視されたのは次の構造です。

項目 内容
提携弁護士への紹介人数 約174人
1人あたりの紹介料 約16,500円
問題視された行為 民間業者が法律事務に該当する案件を弁護士に「周旋」した
適用条文 弁護士法72条(民間側)/27条(弁護士側)

民間業者が「交渉や請求が必要な案件」を受任し、それを提携弁護士に紹介して紹介料を受け取るモデルが、事件の周旋(あっせん)に該当すると判断されたものです。

「容疑段階」と「起訴段階」の違い

報道を読むときに混同しやすいのが、容疑段階と起訴段階の違いです。

段階 意味 確定性
逮捕(容疑段階) 警察・検察が嫌疑をかけて身柄を拘束 嫌疑のみ・推定無罪
起訴 検察官が公判請求 公判で有罪・無罪が判断される
判決確定 裁判所が有罪・無罪を確定 法的に確定

2026年5月時点で、モームリ事件は起訴段階です。最終的な有罪・無罪の判断は今後の公判で示されます。本記事では「違法と確定した」とは書きません。あくまで「非弁行為の疑いで起訴された事案」という位置付けです。

業界全体への影響

モームリ事件以降、業界全体で「提携の透明性」が問われるようになりました。

⚠️ 「労組提携」「弁護士監修」と表示されていれば安全という見方は、モームリ事件以降は通用しません。提携先の労組の運営実態(組合員数・所在地)、弁護士の登録番号・所属弁護士会まで開示されているか、表示と実態のギャップを確認する目線が必要です。

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違法業者の見分け方|編集部独自「合法性スコア」5基準

業者選定時に違法リスクを下げるための実務的なチェック項目を、編集部独自指標として提示します。

合法性スコア5基準

基準 確認内容 違法リスクの兆候
① 運営型の明示 公式サイトで運営母体(弁護士法人/労組/民間)が明記されているか 「合同労組と提携」とだけ書かれ、組合名・所在地が不明
② 弁護士情報の透明性 弁護士の氏名・登録番号・所属弁護士会まで開示されているか 「顧問弁護士監修」のみで氏名すら不明
③ 労組情報の実態 組合員数・所在地・連合加盟有無など運営実態が確認できるか 組合の住所が運営会社と同じ私書箱
④ 広告表現の整合性 民間単独型なのに「交渉」「請求」「全額返金」と書いていないか 「会社と全力交渉」と記載しつつ運営は株式会社
⑤ 特商法表記の整合性 会社概要・特商法表記の住所・運営会社が一致しているか 別法人名義で特商法表記が記載されている

業者選定の判断フロー

  1. 運営母体を確認する
    公式サイトの「運営会社情報」から、弁護士法人・労組・民間のどれかを特定する
  2. 業務範囲と運営型の整合性をチェック
    民間単独型なのに「交渉します」と書いていれば赤信号
  3. 弁護士・労組の情報開示レベルを確認
    氏名のみ・組合名のみは要注意。登録番号・所在地まで開示されているのが望ましい
  4. 合法性スコアの高い順に検討
    弁護士法人型(★★★★★) → 労組直営型(★★★★) → 提携系(★★〜★★★) → 民間単独型(★)

合法性スコアの内訳

スコア 運営型 内容
★★★★★(5/5) 弁護士法人型 弁護士が直接運営。法律事務の独占範囲を正規にカバー
★★★★(4/5) 労組直営型 労組法6条の団体交渉権を根拠に交渉可能
★★〜★★★ 提携系 提携の透明性で大きな差。組合員資格・登録番号開示で評価変動
★(1/5) 民間単独型 使者の範囲のみ。交渉に踏み込めば法令上の問題
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利用者側の責任|一般論として、退職代行の利用は違法ではない

ここまで業者側の話をしてきましたが、利用者本人にとってのリスクを整理します。結論として、退職代行を「使うこと自体」が違法に問われることはありません

民法627条が根拠:退職は労働者の自由

💡 民法627条1項(条文要旨)

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

出典:e-Gov 民法627条

無期雇用の労働者は2週間前に申し入れれば、いつでも退職できます。退職代行はこの解約権の行使を代行するサービスであり、利用者本人が違法に問われることはありません。

「会社から損害賠償請求される」ケースの整理

「退職代行を使ったら損害賠償請求される」という不安を耳にすることがあります。一般論として、整理すると次のとおりです。

状況 損害賠償リスク 補足
突然の退職で業務に支障が出た 原則低い 民法627条で2週間前予告が認められている
引継ぎを一切せずに退職 状況次第 故意・重過失で会社に具体的損害が生じた場合は理論上あり得る
機密情報・顧客リストを持ち出した リスクあり 守秘義務違反・不正競争防止法違反は別問題
退職代行を使ったこと自体 リスクなし 解約権の代行行使は違法ではない

実務上、「退職代行を使ったから」を理由とする損害賠償請求が認められた判例は確認されていません。会社側に具体的な損害が立証できない限り、慰謝料的な請求は認められにくいというのが一般的な理解です。

退職届の効力は変わらない

退職代行を経由しても、退職届の法的効力は本人が直接出した場合と変わりません。意思表示の主体はあくまで本人だからです。

⚠️ 一般論として、利用者側で気をつけるべきは「業者選び」です。違法業者を使うこと自体で利用者が処罰されるわけではありませんが、紛争が長期化したり、料金トラブルに巻き込まれるリスクは高まります。合法性スコアの高い運営型から選んでください。個別事案については弁護士にご相談ください。


退職後の手続きもあわせて確認

まとめ:退職代行の違法・合法は「運営型」で決まる

🎯 結論再掲

  1. 弁護士法人型は合法:弁護士法72条但書により、法律事務を独占的に扱える
  2. 労働組合直営型は合法:労組法6条の団体交渉権を根拠に労働条件を交渉できる
  3. 民間型は「使者の範囲」で合法:本人の意思を伝えるだけなら問題ないが、交渉・請求に踏み込むと弁護士法72条違反のリスク
  4. 違法になる4パターン:民間が交渉/請求/訴訟関与/弁護士が周旋を受ける(モームリ事件はこの構造)
  5. 利用者本人は違法に問われない:民法627条の解約自由で、退職代行の利用そのものは合法

業者選びは「合法性スコアの高い運営型」から優先するのが安全です。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 退職代行を使うと会社から訴えられますか?

A. 一般論として、退職代行の利用そのものを理由とする損害賠償請求が認められた判例は確認されていません。民法627条1項により、無期雇用の労働者は2週間前の予告でいつでも退職できます。ただし、機密情報の持ち出しなど別の違法行為があれば、その点は別問題として責任を問われ得ます。個別事案については弁護士にご相談ください。

Q2. 民間の退職代行は「違法」と言い切っていいですか?

A. いいえ、「民間業者の退職代行は一律に違法」とは言えません。本人の退職意思を会社に伝える「使者」の範囲にとどまる限り、合法に運営できます。違法ラインは、業者が会社との間で労働条件を「交渉」したり、請求業務に踏み込んだ瞬間に発生します。広告表現と実際の業務範囲の整合性を確認するのが安全です。

Q3. 「弁護士監修」と表示されている民間業者は安全ですか?

A. 一般論として、「弁護士監修」と「弁護士運営」は法的に意味が異なります。「弁護士運営」は弁護士法人または弁護士事務所が直接サービスを運営している状態で、案件ごとに弁護士が代理人として対応します。「弁護士監修」は、業者が弁護士に内容確認や書面チェックを依頼している関係を指し、案件ごとに弁護士が代理人になるわけではありません。慰謝料請求まで踏み込みたい場合は、監修ではなく弁護士法人型を選んでください。

Q4. 「労働組合提携」と書いてあれば違法リスクはないですか?

A. 提携の中身次第です。組合員資格を取得して労組経由で団体交渉を行う構造なら、労組法6条の範囲で合法です。一方、モームリ事件のように組合の運営実態が薄く、紹介料モデルが介在している場合は、弁護士法27条(非弁提携)に問われる可能性があります。組合所在地・組合員数・連合加盟有無まで確認することをおすすめします。

Q5. 退職代行を使った後、自分が逮捕されることはありますか?

A. 一般論として、利用者本人が退職代行の利用を理由に逮捕されることはありません。逮捕されるのは、弁護士法72条違反などにあたる業者側の行為者です。利用者は民法627条の解約権を代行行使しているだけで、これ自体は違法ではありません。

Q6. 弁護士法72条違反の罰則はどの程度ですか?

A. 弁護士法77条により、72条違反には2年以下の懲役または300万円以下の罰金が定められています([出典:e-Gov 弁護士法77条](https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205))。比較的重い刑事罰です。利用者側ではなく、運営者側が問われる罰則です。

Q7. モームリは2026年4月に再開していますが、利用しても大丈夫ですか?

A. 2026年4月23日に新規受付が再開されたことは事実ですが、起訴後の公判は継続中です。利用判断は最新報道をご確認の上、慎重に行ってください。本記事では特定業者の利用可否を断定しません。合法性スコアの高い弁護士法人型・労組直営型を優先する選び方が、リスクを抑える観点では一般的です。

Q8. 退職代行が違法だった場合、支払った料金は取り戻せますか?

A. 一般論として、業者側に弁護士法72条違反などが認められた場合、契約自体が公序良俗違反として無効になる可能性があります。返金請求の可否や具体的な手続きは個別事案によるため、消費生活センター([国民生活センター](https://www.kokusen.go.jp/))または弁護士にご相談ください。



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免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な対応については、弁護士または労働基準監督署にご相談ください。本記事に記載した条文・判例・報道情報は2026年5月10日時点のものです。最新情報は各一次情報源でご確認ください。合法性スコアは編集部独自の評価指標であり、特定業者の違法性を断定するものではありません。モームリ事件に関する記述は報道一次情報をもとにしており、起訴段階の事実を含みます。最終的な有罪・無罪は今後の公判で判断されます。


参考文献(一次情報URL)

  • e-Gov 法令検索 弁護士法(72条・27条・77条):https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205
  • e-Gov 法令検索 労働組合法(6条):https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174
  • e-Gov 法令検索 民法(627条):https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
  • e-Gov 法令検索 労働基準法:https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
  • 厚生労働省「労働組合のしくみ」:https://www.mhlw.go.jp/
  • 国民生活センター:https://www.kokusen.go.jp/
  • 帝国データバンク「退職代行業52法人」調査(2025年10月24日公表):https://www.tdb.co.jp/report/industry/20251024-taisyoku25y/
  • 弁護士ドットコムニュース 2026/2/3 モームリ逮捕報道:https://www.bengo4.com/c_1009/n_19954/
  • 時事通信 2026/2/24 提携弁護士在宅起訴報道:https://www.jiji.com/jc/article?k=2026022401063&g=soc
  • ITmedia NEWS 2026/4/23 モームリ受付再開:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2604/23/news121.html
  • 第一東京弁護士会 公表:https://www.ichiben.or.jp/news/oshirase/news/2026020530252.html

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仕事リサーチ編集部
「働き方の意思決定を支える中立調査メディア」を運営する独立系編集部です。退職代行サービス・転職エージェント・労働法・副業・給付金など、働き方にまつわる重要トピックについて、業者や弁護士事務所、転職エージェントと利害関係を持たない第三者の立場から、一次情報に基づく検証記事を発信しています。
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退職代行/転職エージェント/労働法/副業・給付金制度
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