※本記事には広告(PR)が含まれます。
特定受給資格者と認定されると、給付制限(待機7日後の不支給期間)がなくなり、給付日数も一般の自己都合より大幅に長くなります。一般自己都合なら30代・加入5年で90日のところ、同じ条件で認定を受ければ180日、45歳以上・加入20年なら最大330日です。鍵を握るのはハローワークでの「離職理由の申告」で、離職票に「自己都合」と書かれていても、本人が実態を申告することで認定が変わる場合があります。
この記事の要点:
- 特定受給資格者は給付制限なし・給付日数が一般自己都合の最大3.7倍
- パワハラ・過重労働・採用条件との乖離なども認定条件になり得る
- 申告と証拠(タイムカード・診断書等)が認定を左右する。最終判断はハローワーク
2つの区分の違いと給付日数への影響
失業給付(雇用保険の基本手当)の受給者は、離職理由によって区分が変わります。最初に押さえておきたい点は、特定受給資格者と特定理由離職者では「給付制限の有無」と「給付日数」の両方が変わるということです。
特定受給資格者は、倒産・解雇・ハラスメント・過重労働など会社側の事情に近い理由で離職した人を指します。一般の自己都合と比べ給付日数が多く、給付制限がありません。待機7日間の経過後すぐに給付が始まるため、受給開始が早まります。
特定理由離職者は、体調不良・家族の介護・契約満了など「やむを得ない事情」で自ら離職した人を指します。区分や年齢・被保険者期間の条件によっては給付日数が特定受給資格者と同等になるケースがあり、一般の自己都合には該当しない扱いがされます。
区分の定義の詳細は特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲(厚労省PDF)で確認できます。給付日数・手当日額の算定方法はハローワーク「基本手当について」および厚労省 基本手当の資料も参照してください。
給付日数の比較
区分によって給付日数がどれだけ変わるかを示します。以下は試算の一例であり、実際の金額・日数は年齢・被保険者期間・賃金日額により異なります。
| 区分 | 給付日数(30代・加入5年) | 年収500万円(月収42万)の場合の総額(目安) |
|---|---|---|
| 一般自己都合 | 90日 | 約72万円 |
| 特定受給資格者 | 180日 | 約145万円 |
| 特定受給資格者(45歳以上・加入20年) | 330日 | 約293万円 |
給付制限がない点も大きく、一般自己都合では待機7日後にさらに1か月の不支給期間が置かれますが、特定受給資格者には設けられません。
特定受給資格者の認定条件
特定受給資格者の条件は厚労省の基準で定められています。大きく「倒産・解雇系」「過重労働・ハラスメント系」「職場環境系」に分けて整理します。
倒産・解雇系は会社側の都合がはっきりしているケースです。倒産(破産・特別清算等)による離職、事業所の廃止による離職、会社都合解雇(整理解雇を含む。本人の重大な責めによる解雇を除く)などが該当します。
過重労働・ハラスメント系は、本人が実態を申告しないと認定につながりにくい領域です。離職直前6か月のうち、いずれか連続する3か月で各月おおむね45時間を超えた場合、いずれか連続する2か月以上の平均でおおむね月80時間を超えた場合、いずれか1か月でおおむね100時間を超えた場合などが基準になります。上司・同僚からのパワハラ・セクハラ・マタハラ等を受けた場合や、賃金の3分の1を超える額が支払期日までに支払われない月が2か月以上続いた場合も対象です。
職場環境系では、採用時の説明と実態が著しく異なる労働条件で働かされた場合や、退職勧奨(会社からの退職の働きかけ)を受けて離職した場合も認定条件になり得ます。
特定理由離職者の認定条件
特定理由離職者は、自ら退職したものの正当な理由があると認められるケースです。心身の障害・疾病・負傷等のため離職した場合(医師の診断書が必要になる場合があります)、父母・配偶者・子の死亡や介護のため離職した場合、配偶者・父母の転勤や転居に伴い通勤が困難になった場合、育児・介護休業法に基づく制度を利用できず離職せざるを得なかった場合などが該当します。
有期雇用の場合は、有期労働契約が満了し本人が更新を希望したにもかかわらず会社が更新しなかったケースも対象です。
ハローワークでの申告手順と証拠の準備
認定は自動で行われるわけではなく、本人の申告と証拠提出が重要です。以下の流れで手続きを進めます。
まず離職票を持参してハローワークに来所し、求職の申込みと同時に手続きを進めます。次に「離職理由の申告」で実態を正直に伝えます。ハラスメントや過重労働があった場合は、その内容と時期を具体的に説明します。証拠があれば提出します。残業記録(タイムカード・勤怠データ)、給与明細、医師の診断書、録音などが判断材料になります。その後ハローワークが事業主に確認し、主張が食い違う場合は双方の事情を踏まえた審査が行われます。判定に納得できない場合は「異議申立書」の提出手続きが用意されています。
離職票の「離職理由」欄に会社が「自己都合」と記載していても、本人が実態を申告することで認定が変わる場合があります。申告しないとハローワークが自動で特定受給資格者と判定しないケースがあるため、実態に沿った申告が重要です。給付金の受け取り方や手続き全体については失業給付 完全ガイドもあわせて確認してください。
退職後のお金の段取り(健康保険・年金・税金・生活費)を一人で整理しきれない場合、ファイナンシャルプランナー(FP)への無料相談も選択肢のひとつです。
退職後の家計への影響や給付金の活用方法に不安がある場合は、FP(ファイナンシャルプランナー)への無料相談も選択肢の1つです。
まとめ
特定受給資格者・特定理由離職者の区分は、失業給付の給付日数と給付制限の有無を左右します。パワハラ・過重労働・採用条件との乖離など、会社の記載が「自己都合」でも申告によって判断が変わる場合があります。タイムカードや診断書などの証拠があると認定につながりやすい傾向があります。
認定の可否・給付額は個人の状況や証拠の内容によって異なります。個別の事情はお住まいの地域のハローワークにご相談ください。退職後にもらえるお金の全体像は退職後の給付金 完全ガイド、退職前に知っておく法律知識は退職の法律知識で整理しています。


コメント