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「退職給付金サポート」とは?国民生活センター注意喚起の中身と自力申請との違い【2026年版】

先に結論です。「退職給付金サポート」「社会保険給付金サポート」は公的な制度名ではなく、民間業者のサービス名です。案内される中身は失業保険や傷病手当金など既存の公的給付で、同じ申請は自分で無料でできます。国民生活センターは2025年12月3日、この種のサービスに注意喚起を出しました。

※本記事には広告(PR)が含まれます。個別の判断は社会保険労務士・ハローワーク・消費生活センター(188)にご相談ください。

この記事の要点

  • 「給付金サポート」という公的制度は存在しない。中身は失業保険・傷病手当金で、無料で自力申請できる。
  • 国民生活センターは「給付額を増やせる」とうたう勧誘に注意喚起。相談は4年で約5倍に増加。
  • 不正な申請に加担すると、業者ではなく申請者本人が返還命令や刑事責任を負う。

目次

「退職給付金サポート」の正体

公的給付に「退職給付金」「社会保険給付金」という統一名称はありません。厚労省・協会けんぽ・ハローワークのどの制度にも、この名前は出てきません。業者が複数の公的給付をまとめて呼ぶための営業上の総称で、「退職コンシェルジュ」などの商品名で広告されることもあります。

実体は、主に次の2つです。

  • 失業保険(雇用保険の基本手当):求職中の離職者向け。窓口はハローワーク。
  • 傷病手当金:病気・ケガで働けない人向け。窓口は健康保険組合・協会けんぽ。

どちらも本人が窓口で申請でき、手数料はかかりません。業者が新しい給付を生み出すわけではなく、すでにある制度の申請を代わりに案内しているだけです。


国民生活センターが注意喚起した理由(2025年12月3日)

国民生活センターは2025年12月3日、「失業保険の給付額等を増やすことができるとうたう申請サポートに注意」とする情報提供を公表しました(出典)。背景にあるのは相談件数の急増です。

年度 相談件数
2021年度 42件
2023年度 113件
2024年度 217件
2025年度(10月末) 216件

報道では、こんな相談事例が紹介されています(出典:時事通信 2026年1月7日)。

  • 約20万円を支払い、指定クリニックで「実際はその病気でないのに、そう診断されるための受け答え」を案内された(30代女性)。
  • 「最大200万円受給できる」と言われ約30万円を払ったが、説明どおりには受け取れなかった(40代男性)。

問題は大きく3つ。広告の金額より実際は増えない/解約時に高額な費用を請求される/不正受給を促しかねない勧誘がある。とくに最後の点は、依頼した本人にリスクが返ってきます。


法的にグレーな理由と、本人が負うリスク

1. 有償の申請代行は社労士の独占業務

雇用保険・健康保険の申請書類を報酬を得て作成・提出代行できるのは、社会保険労務士などの有資格者だけです。資格のない業者が報酬を得て代行すると、社会保険労務士法(1号業務の独占。違反は1年以下の懲役または100万円以下の罰金)に抵触するおそれがあります(出典:e-Gov)。社労士・弁護士が適法に関与する事業者もあるため、「誰が手続きを担うのか」が見極めの分かれ目です。

2. 不正受給の責任は申請者本人に

業者の勧誘に従って実態と異なる申請をすると、責任を問われるのは業者ではなく申請者です。失業保険では返還に加えて最大2倍の納付を命じられ、合計で受給額の3倍に達することがあります。悪質なら詐欺罪に問われることもあります(出典:厚労省)。「業者に手伝ってもらったから大丈夫」は通用しません。


同じ申請は無料でできる

退職後にもらえるお金の全体像はこちらにまとめています。

自分はいくら受け取れるのか、家計をどう組み立てるか整理したいときは、FP(ファイナンシャルプランナー)の無料相談という手もあります。給付金の有償代行とは別物で、お金全体の相談です。
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それでも有償サポートを使うなら、契約前に3つ確認

  1. 社労士・弁護士の関与が明記されているか(誰が手続きするのか)
  2. 料金と解約・違約金の条件が書面で示されているか
  3. 「誰でも・必ず・最大◯◯万円」と断定していないか/診断書の取得を誘導していないか

少しでも不安があれば、契約前に消費者ホットライン188へ。最寄りの消費生活センターを案内してもらえます。急かされても、その場で契約せず公的窓口で確認するのが安全です。


参考文献(一次情報)

  • 国民生活センター「失業保険の給付額等を増やすことができるとうたう申請サポートに注意」(2025-12-03) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20251203_1.html
  • 時事通信「『うつ病』虚偽診断の誘導も 失業保険サポートでトラブル急増」(2026-01-07) https://www.jiji.com/jc/article?k=2026010700142&g=soc
  • e-Gov 社会保険労務士法 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC1000000089
  • 厚生労働省 雇用保険(不正受給の取扱い) https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_dishonesty.html
  • 協会けんぽ 健康保険傷病手当金支給申請書 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/application_form/benefit/001/index.html
  • 日本FP協会 くらしとお金のFP相談 https://www.jafp.or.jp/confer/kurashi_fp/taimen/

免責:本記事は一般的な情報提供であり、特定事業者の利用を推奨・否定するものではありません。給付の可否・金額は個別事情で異なります。個別事案は社会保険労務士・ハローワーク・各保険者・消費生活センター(188)へご相談ください。

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この記事を書いた人

仕事リサーチ編集部
「働き方の意思決定を支える中立調査メディア」を運営する独立系編集部です。退職代行サービス・転職エージェント・労働法・副業・給付金など、働き方にまつわる重要トピックについて、業者や弁護士事務所、転職エージェントと利害関係を持たない第三者の立場から、一次情報に基づく検証記事を発信しています。
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