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失業給付(雇用保険)の完全ガイド【2025年改正・給付日数・申請手順】

※本記事には広告(PR)が含まれます。

退職後の生活を支える失業給付(雇用保険の基本手当)は、2025年4月の制度改正で受給条件が変わりました。自己都合退職でも、待て期間後から1ヶ月で受給が始まります。もらい方の流れは「離職票の受け取り→ハローワーク来所→待期7日→給付制限1ヶ月(自己都合)→認定日→振り込み」の7ステップです。

この記事の要点

  • 2025年4月改正で自己都合の給付制限が2ヶ月→1ヶ月に短縮。教育訓練受講中はゼロ
  • 受給額は「離職前6ヶ月の賃金÷180×給付率(50〜80%)」で決まる上限あり
  • ハラスメント・長時間残業などが実態なら申し出ることで特定受給資格者認定の可能性

本記事では改正内容、月収別の受給額、給付日数、特定受給資格者の認定条件、申請の7ステップを、ハローワーク・厚労省の公式資料をもとに解説します。退職後に受け取れるお金の全体像は 退職後の給付金 完全ガイド でまとめています。


目次

1. 失業給付とは何か

失業給付(雇用保険の基本手当)は、雇用保険に加入していた労働者が離職し、求職中の生活を安定させるために支給される給付です。受給するには「離職前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上あること」(特定受給資格者・特定理由離職者は離職前1年間に6ヶ月以上)、「働く意思と能力があり求職活動をしていること」の両方を満たす必要があります。

傷病や育児などで求職活動ができない状態では受給できません。受給期間の延長申請(最大4年間延長)という制度があり、やむを得ない事情がある場合はハローワークで相談できます。

傷病で退職した場合の給付制度の全体像は 退職後の給付金 完全ガイド も参照してください。


2. 2025年4月改正のポイント

2025年(令和7年)4月1日施行の雇用保険制度改正により、自己都合退職者の受給開始が早まりました(出典:厚労省 令和6年雇用保険制度改正)。

給付制限が「2ヶ月」→「1ヶ月」に短縮

自己都合退職の場合、これまで7日間の待期期間に加えて2ヶ月の給付制限期間がありました。改正後はこの給付制限が1ヶ月に短縮されています。従来より約1ヶ月早く受給を開始できる計算です。

5年以内に2回以上の自己都合退職がある場合は給付制限が3ヶ月になる例外があります。改正前と同様のルールが適用されるため、2回目以降の退職時は離職票受け取り後にハローワークで確認することをおすすめします。

教育訓練の受講で給付制限はゼロ

離職後に厚労省が指定する教育訓練(リスキリングを含む)を受講している場合、給付制限が課されません。条件を満たせば待期期間(7日)の後すぐに受給対象となります。教育訓練給付金との併用は別途確認が必要です。

改正の対象外

会社都合退職(解雇・倒産など)や特定受給資格者には、もともと給付制限がありません。今回の改正の恩恵は自己都合退職者が主な対象です。

退職の種類(自己都合・会社都合・特定理由)の違いは 退職3タイプ 比較記事 で詳しく整理しています。


3. 基本手当日額の計算と月収別シミュレーション

受給総額は「基本手当日額 × 給付日数」で決まります。まず日額を理解することが重要です。

計算式

  • 賃金日額 = 離職前6ヶ月の賃金合計 ÷ 180
  • 基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%)

給付率は賃金日額が低いほど高くなります。低所得者ほど手厚く補償する設計で、高所得者は給付率が低くなる一方、日額に年齢区分ごとの上限があります(出典:厚労省 基本手当について)。

月収別の受給額シミュレーション

下記は月収ごとの概算です。賞与の有無や日割り計算によって実際の額は変わるため、目安としてご覧ください。

月収 賃金日額 基本手当日額 自己都合90日 特定認定180日 最大330日
20万円 6,667円 約4,667円 約42万円 約84万円 約154万円
25万円 8,333円 約5,500円 約50万円 約99万円 約182万円
30万円 10,000円 約6,000円 約54万円 約108万円 約198万円
35万円以上 上限6,570円 6,570円(上限) 約59万円 約118万円 約217万円
42万円(年収500万) 14,000円 8,055円(上限) 約72万円 約145万円 約293万円

上限額は毎年8月1日に見直されます。最新の上限額はハローワークの案内または厚労省の公表資料で確認してください。


4. 給付日数(退職理由・年齢・加入期間別)

給付日数は退職理由によって大きく変わります。同じ加入期間でも、自己都合か会社都合かで日数が倍以上違うことがあります。

一般の自己都合退職

90〜150日が目安です。年齢と雇用保険の加入期間によって決まります。被保険者期間が1〜4年で90日、5〜9年で90日(45歳未満)〜120日(45歳以上)、10〜19年で120〜150日と加入期間が長いほど日数が増えます。

特定受給資格者(倒産・解雇・ハラスメント等)

90〜330日と幅があります。年齢が高く加入期間が長い人ほど手厚くなります。45歳以上60歳未満で加入期間20年以上の場合、最大330日の給付を受けられます。一般の自己都合退職と比べると最大で3〜4倍の日数になるケースがあります。

特定理由離職者(体調不良・介護等)

体調不良や家族の介護などやむを得ない事情での離職は、特定理由離職者として特定受給資格者に準じた日数が適用される場合があります。ただし、給付日数の優遇は「特定受給資格者と同じ日数区分」になるため、最大330日には届かないケースもあります。

退職の種類による詳細な違いは 退職3タイプ 比較記事 も参考になります。


5. 特定受給資格者・特定理由離職者の認定条件

「自己都合だから日数は少ない」と思い込むのは早計です。事情によっては特定受給資格者・特定理由離職者と認定され、給付日数が増える可能性があります。

主な認定条件

  • パワハラ・セクハラなどのハラスメントを受けた
  • 離職前1ヶ月に45時間超、または連続3ヶ月で各月45時間超、もしくは1ヶ月に100時間超の残業があった
  • 賃金の3分の1を超える額が3ヶ月連続で未払いだった
  • 倒産・解雇など会社都合での離職
  • 体調不良(診断書あり)や家族の介護といったやむを得ない事情

出典:ハローワーク 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要

申し出ないと自動判定されないことがある

これらの事情があってもハローワークが自動的に認定するとは限りません。離職票上は「自己都合」となっていても、実態がハラスメントや長時間残業であれば、来所時に申し出ることが重要です。タイムカード、給与明細、診断書、メール記録などが判断材料になります。

認定条件の詳細・具体的な書類の準備については 退職手続きの落とし穴 でも触れています。


6. 申請の手順(7ステップ)

申請からの流れは次の7ステップです(出典:ハローワーク 基本手当の受給手続き)。

  1. 離職票の受け取り:退職後10〜14日程度で会社から届きます。届かない場合は会社の人事・総務窓口に連絡します。
  2. ハローワークへ来所・求職申し込み:離職票1・2、本人確認書類(マイナンバーカードなど)、写真2枚、通帳またはキャッシュカードを持参します。
  3. 受給資格の決定:ここで特定受給資格者・特定理由離職者の申告も行います。離職票に記載の退職理由と実態が異なる場合は必ず申し出てください。
  4. 待期期間(7日間):全員に共通する待機期間で、この間は基本手当は支給されません。
  5. 給付制限期間:自己都合は1ヶ月(2025年4月改正後)。教育訓練受講中はゼロ。会社都合・特定受給資格者はなし。
  6. 初回認定日:来所し、求職活動の実績(応募や面接など)を報告します。求職活動の回数が不足していると不認定になる場合があります。
  7. 第1回給付:初回認定日の約1週間後に指定口座へ振り込まれます。

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7. 受給中の注意点

受給開始後にも気をつけたいポイントがあります。

アルバイト収入の申告

受給中にアルバイトをすると、一定額を超えた場合に基本手当が減額されることがあります。働いた事実は必ず認定日に申告してください。申告漏れは不正受給とみなされる可能性があり、返還・追徴・氏名公表の対象になりえます。

社会保険の扶養

基本手当の日額が3,612円を超える場合、受給期間中は配偶者の社会保険の扶養に入れないのが一般的です。扶養と失業給付のどちらが有利かは世帯の状況によります。退職後の国民健康保険への切り替えとの比較は 退職後の給付金 完全ガイド も参考にしてください。

海外渡航中の取り扱い

失業給付は「働ける状態にあり、求職活動をしている」ことが前提です。長期の海外渡航中は就労可能な状態とみなされず、受給できないケースがあります。渡航前にハローワークに相談することをおすすめします。

受給期間の延長

疾病・負傷・妊娠・育児・介護などやむを得ない理由で求職活動ができない場合、最大4年まで受給期間を延長できる制度があります。離職翌日から30日を経過した日以降、1ヶ月以内にハローワークへ申請することが条件です(病気が続く場合など条件によって異なります)。


まとめ

2025年4月の改正で、自己都合退職者の給付制限が1ヶ月に短縮されました。教育訓練の受講でゼロにもなり得ます。受給額は離職前の賃金と給付率で決まり、退職理由によって給付日数が大きく変わります。ハラスメントや長時間残業などの事情があれば、来所時に申し出ることで特定受給資格者と認定される可能性があります。

金額・日数・認定の可否は個人の事情によって異なります。具体的な判断はお住まいの地域のハローワークまたは専門家にご相談ください。

主な一次情報

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この記事を書いた人

仕事リサーチ編集部
「働き方の意思決定を支える中立調査メディア」を運営する独立系編集部です。退職代行サービス・転職エージェント・労働法・副業・給付金など、働き方にまつわる重要トピックについて、業者や弁護士事務所、転職エージェントと利害関係を持たない第三者の立場から、一次情報に基づく検証記事を発信しています。
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