リード:「退職代行は違法か」を1分で
「退職代行は違法ではないか」「弁護士法72条に触れるのでは」という不安は、検索ユーザーがまず突き当たるテーマです。一般論として、弁護士法人または労働組合が運営する退職代行は合法、民間業者は「使者」の範囲を超えると違法になり得る、というのが境界線です。本記事は体験談を一切載せず、e-Gov条文・帝国データバンク調査・モームリ事件報道をもとに、非弁行為の構造と業者の見分け方を中立に整理します。
※本記事には広告(PR)が含まれます。紹介する業者からアフィリエイト報酬を受け取る場合がありますが、合法性スコアは利害関係から独立して算出しています。
🎯 結論:非弁行為と退職代行の境界線
- 非弁行為とは、弁護士でない者が報酬目的で法律事務を扱うこと(弁護士法72条違反)
- 民間業者が「交渉」「請求」に踏み込むと非弁行為に該当し得る
- 労働組合は団体交渉権を根拠に労働条件交渉が可能(労組法6条)
- 弁護士法人は法律事務をすべて扱える
- 2026年2月のモームリ事件は、民間業者と弁護士の「非弁提携」が問われた事案
合法性で選ぶなら、弁護士法人型 or 労組直営型が安全です。
この記事の要点
Q1. 非弁行為(ひべんこうい)とは何ですか?
A. 弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を取り扱うことで、弁護士法72条で禁止されています(出典:e-Gov 弁護士法第72条)。違反した場合は2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科され得ます。
Q2. 民間の退職代行は違法ですか?
A. 一般論として、本人の退職意思を会社に伝える「使者」の範囲にとどまるなら、ただちに違法とはいえません。ただし、有給消化や退職日の交渉、未払い賃金の請求などに踏み込むと、報酬目的の法律事務として非弁行為に該当し得ます。
Q3. 労働組合の退職代行はなぜ合法なのですか?
A. 労働組合は労働組合法第6条により団体交渉権を持ち、賃金・有給・退職金などの労働条件について会社と交渉できます(出典:e-Gov 労働組合法第6条)。これは憲法28条の労働三権に根拠をもつ権利で、弁護士法72条の例外として整理されます。
Q4. モームリ事件では何が問われたのですか?
A. 2026年2月3日に運営者夫妻が逮捕、2月24日に起訴された事案で、民間業者が退職希望者を弁護士に紹介し1人あたり約16,500円の紹介料を受け取っていた疑いがあるとされます。紹介人数は約174人と報じられました(出典:弁護士ドットコムニュース 2026/2/3)。これは弁護士法27条(事件周旋禁止)と72条の双方が問題視されたケースです。
Q5. 違法業者を見分ける一番のポイントは?
A. 「交渉」「請求」「代理」という言葉を民間業者が使っているかどうかです。弁護士法人または労働組合の運営でない業者がこれらの言葉を使っている場合、業務範囲を逸脱している可能性があります。詳しくは本文の「違法業者の見分け方5チェックポイント」のセクションをご参照ください。
非弁行為とは何か|弁護士法72条の解説
非弁行為(ひべんこうい)とは、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を取り扱う行為を指します。退職代行の文脈で「違法かどうか」が問われるとき、ほぼすべてはこの弁護士法72条との関係で議論されています。
弁護士法72条の条文原文
💡 弁護士法第72条(非弁護士の法律事務取扱い等の禁止)
「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。」
条文は長く読みにくいですが、退職代行に関係する核は3点です。
- 「報酬を得る目的で」:無償のボランティアなら適用外。料金を取る業者は対象
- 「一般の法律事件」:退職トラブル・有給・残業代も含まれ得る
- 「代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務」:本人の代わりに会社と交渉・条件調整する行為
つまり、料金を取る民間業者が会社と「交渉」に踏み込んだ瞬間に、72条違反のリスクが生じる構造になっています。
罰則の重さ
⚠️ 弁護士法77条による罰則:72条違反は2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります(出典:e-Gov 弁護士法第77条)。法人として運営している場合、両罰規定により法人にも罰金が科され得ます。
退職代行は単なる「行政指導」レベルではなく、刑事罰の対象になる行為です。モームリ事件で運営者が逮捕に至ったのも、この罰則規定があるためです。
なぜ72条は存在するのか
弁護士法72条の趣旨は「法律事務の品質確保と国民の権利擁護」にあるとされます。資格を持たない者が法律事務に踏み込むと、依頼者が不利益を被るリスクが高いためです。
退職代行の場面でも、民間業者が「交渉」したつもりが法的には無効、あるいは依頼者にさらに不利な条件を引き出してしまう、というケースが問題視されてきました。

退職代行で問題となる「非弁提携」|27条と72条の関係
非弁行為の議論には「非弁提携」というもう一つの論点があります。これは民間業者と弁護士の関係を縛る規定で、モームリ事件の中心争点でもありました。
弁護士法27条が縛るもの
💡 弁護士法第27条(非弁護士との提携等の禁止)
「弁護士は、第七十二条乃至第七十四条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。」
27条は「弁護士の側」を縛る規定です。72条が非弁護士を縛るのに対し、27条は弁護士が非弁護士から案件を回してもらうこと(周旋)や、名義貸しを禁止します。
| 条文 | 縛る対象 | 内容 |
|---|---|---|
| 弁護士法72条 | 非弁護士(民間業者など) | 報酬目的で法律事務を扱うことを禁止 |
| 弁護士法27条 | 弁護士 | 非弁護士から事件周旋を受けること・名義貸しを禁止 |
| 労組法6条 | 労働組合 | 団体交渉権を付与(72条の例外として整理) |
「非弁提携」の典型構造
非弁提携とは、民間業者が集めた退職希望者を弁護士に紹介し、紹介料を受け取るビジネスモデルを指します。
🔍 非弁提携の典型構造
- 民間業者が広告で退職希望者を集める
- 有給交渉・慰謝料請求が必要な案件を提携弁護士に紹介
- 弁護士が業者に紹介料を支払う(または業者が報酬を分配)
- 結果として、弁護士は事実上「業者の下請け」状態に
このモデルは72条(民間側)と27条(弁護士側)の双方に抵触し得ます。
なぜ「合法な提携」と「非弁提携」が混在するのか
正規の労組提携や弁護士監修は合法的に成立し得ます。違いは「金銭の流れ」と「実質的な指揮命令関係」にあります。
| 項目 | 合法な提携 | 非弁提携の疑いあり |
|---|---|---|
| 弁護士への紹介 | 案件ごとに弁護士が独立判断 | 業者主導で機械的に紹介 |
| 紹介料 | 紹介料なし/実費のみ | 1人あたり定額の紹介料 |
| 案件の指揮 | 弁護士が方針決定 | 業者が方針を主導 |
| 表示の透明性 | 事務所名・登録番号開示 | 「提携弁護士」表記のみ |
モームリ事件では1人あたり約16,500円という定額紹介料の存在が報じられ、これが「事件周旋」に該当するかが争点となりました。
モームリ事件で問われた違法性の構造
2026年2月のモームリ事件は、退職代行業界における非弁行為・非弁提携の論点を一気に表面化させた象徴的なケースです。
事件の時系列サマリ
🚨 モームリ事件の経緯(2026年5月時点)
- 2026年2月3日:運営会社アルバトロスの代表夫妻が弁護士法72条違反の疑いで逮捕(容疑段階)
- 2026年2月24日:東京地検が代表夫妻と法人アルバトロスを起訴。同日、提携先の弁護士法人みやびの佐藤秀樹弁護士(49歳)と弁護士法人オーシャンの梶田潤弁護士(45歳)の計2名、および両法人も弁護士法違反罪で在宅起訴。紹介人数は約174人と公表
- 2026年3月4日:谷本夫妻らを組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)の疑いで追送検(出典:弁護士ドットコムニュース 2026/3)
- 2026年4月23日:モームリが新規受付を再開
(出典:弁護士ドットコムニュース 2026/2/3、ITmedia NEWS 2026/4/23)
逮捕は容疑段階、起訴により正式に刑事手続きへ進んだ段階です。最終的な有罪・無罪の判断は今後の公判で示される見通しで、現時点では「疑い」の整理にとどまります。
何が違法とされたのか
報道によれば、争点は次の3点です。
⚖️ モームリ事件の3つの争点
- 非弁提携:退職希望者を提携弁護士に紹介し、約16,500円の紹介料を受領していた疑い(27条+72条)
- 業務範囲の逸脱:民間業者が会社との条件交渉に踏み込んでいた疑い(72条)
- 労組提携の実態:「労働組合提携」を掲げていたが、組合の運営実態が問われた
特に紹介人数約174人という規模が、単発のミスではなく「業として行っていた」と評価されやすい構造になっています。
業界全体への波及
モームリ事件以降、業界全体で「労組提携」「弁護士監修」と書いてあるだけでは安全と見なせなくなりました。表示の中身まで確認する目線が必要です。
帝国データバンクが2025年10月24日に公表した「退職代行業52法人」調査では、料金平均は29,410円とされています(出典:帝国データバンク 2025/10/24)。一方で、運営型ごとの合法性リスクは料金には現れにくいため、利用者側の見極めが重要になります。
事件直前の2025年10月には、東京弁護士会が公式サイトで「退職代行サービスと弁護士法違反に関する注意喚起」を発出していました(出典:東京弁護士会 2025/10)。声明では「弁護士でない者が報酬を得る目的で『交渉』『請求』を行うことは弁護士法72条に違反するおそれがある」と明言され、業界に対する公的警告として位置付けられます。
企業側の対応も大きく変化
東京商工リサーチが2026年4月に公表した企業向けアンケート(6,425社)では、企業の30.4%が「弁護士または労働組合以外からの退職代行通告には取り合わない」と回答しています(出典:東京商工リサーチ 2026年4月調査)。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 「弁護士・労組以外の業者からの通告に取り合わない」企業 | 30.4% |
| 大企業(資本金1億円以上)の退職代行経験率 | 21.3% |
| 「前職で退職代行を使った人の採用に慎重になる」企業 | 26.0% |
企業の3割が民間単独型からの通告を拒否する方針である以上、利用者にとって「合法性の高い運営型を選ぶこと」は、退職を確実に進めるための実利的な判断軸でもあります。

民間業者の「使者」と「交渉」の境界線
退職代行を理解する核は、「使者」と「交渉」の違いです。この線を超えると非弁行為になり、超えなければ合法となる、という整理です。
「使者」とは何か
使者とは、本人の意思をそのまま相手に伝える役割で、それ自体に法的判断や交渉権限を含みません。郵便配達人が手紙を届けるのに似たイメージです。
| 項目 | 使者 | 代理人 |
|---|---|---|
| 役割 | 本人の意思を伝達 | 本人の代わりに判断・交渉 |
| 法的判断 | しない | する |
| 弁護士法72条 | 該当しにくい | 該当する(非弁護士の場合) |
| 退職代行での例 | 「○月○日付で退職します」と伝える | 「有給は全部使わせてほしい」と要求 |
「交渉」に該当する具体例
⚠️ 一般論として、以下の対応に民間業者が踏み込むと弁護士法72条との関係で問題が生じ得ます。個別事案については弁護士にご相談ください。
- 会社が「退職日を1か月先にしたい」と提示した条件への応答・調整
- 有給消化日数や退職金額の交渉
- 未払い残業代の支払い要求
- パワハラ慰謝料の請求
- 会社からの損害賠償請求への反論
- 離職票・源泉徴収票などの送付期日交渉
「ただ伝えるだけ」と「条件を調整する」の境界は実務上あいまいです。会社からの応答に何かしらコメントを返す時点で、すでに「交渉」に踏み込んでいる可能性があります。
民間業者の合法的な使い方
- 退職意思が明確に固まっている
→ 会社からの条件提示に応じる必要がない状態 - 有給消化・退職日交渉が不要
→ 会社の処理に任せられる、もしくは本人が直接やり取りする - 未払い賃金・残業代がない
→ 法的請求が発生しない - パワハラ慰謝料を請求するつもりがない
→ 訴訟・調停の必要なし - 会社からの損害賠償リスクが低い
→ 会社からの逆請求の心配がない
これらすべてに当てはまる場合のみ、民間業者を「使者」として使うのが合理的です。1つでも当てはまらないなら、労組型または弁護士型を検討する流れになります。

違法業者の見分け方5チェックポイント
ここまでの整理を踏まえ、利用検討段階でチェックすべき5項目を整理します。これらに当てはまる業者は、非弁行為のリスクが相対的に高いと判断できます。
5チェックポイント一覧
🚩 違法業者を疑う5つのサイン
- 民間業者が「交渉」「請求」「代理」と表示している
- 「労組提携」「弁護士監修」の表記が氏名・登録番号まで開示されていない
- 会社からの条件提示への応答を「対応します」と謳っている
- 料金が極端に安い(1万円未満)または成功報酬制を強調している
- 運営会社の特商法表記と公式サイトの会社情報が一致していない
各サインの解説
サイン①:「交渉」「請求」「代理」の表記
民間業者がこれらの言葉を広告・LPで使っている場合、業務範囲を逸脱している可能性があります。労組型・弁護士型の場合は問題ありませんが、運営型を確認することが第一歩です。
サイン②:提携先の透明性不足
「提携弁護士」「労働組合提携」と書かれているだけで、事務所名・登録番号・組合所在地が開示されていない場合は要注意です。実態のない提携表示は、モームリ事件と同型のリスクを抱えています。
サイン③:会社の応答への対応を謳う
「会社が引き留めてきても対応します」「条件を調整します」など、会社からの応答を前提にしたサービスは、使者の範囲を超えます。
サイン④:料金の不自然さ
料金平均29,410円(帝国データバンク調査)から大きく外れる業者は、料金体系に何らかの仕組みがある可能性があります。極端な低価格や成功報酬制は、本来の業務範囲を超えた成果を前提にしている疑いがあります。
サイン⑤:会社情報の不整合
運営会社、特商法表記、公式サイトのフッター情報が一致していない場合は、責任の所在があいまいなビジネスモデルである可能性があります。
チェック結果の使い方
| 該当数 | 判断目安 |
|---|---|
| 0個 | 利用検討対象として問題なし |
| 1〜2個 | 公式サイトを再確認、運営型の整合性をチェック |
| 3個以上 | 別の業者を検討するのが安全 |
3個以上当てはまる業者は、合法性スコアの観点から避けるのが無難です。
合法な退職代行業者の選び方
非弁行為のリスクを避けるなら、運営型を「弁護士法人」または「労働組合直営」に絞り込むのが基本戦略です。具体的な業者を合法性スコア順に紹介します。
弁護士法人型|法律事務をすべてカバー
⚠️ 2026年2月の重要な動き:弁護士法人みやびの佐藤秀樹弁護士(49歳)と弁護士法人オーシャンの梶田潤弁護士(45歳)の計2名、および両法人が、退職代行モームリ事件に関連して2026年2月24日に弁護士法違反罪で在宅起訴されています(出典:時事通信 2026/2/24、第一東京弁護士会 公表)。起訴は有罪確定を意味しません。利用判断は最新報道をご確認の上、慎重に行ってください。
弁護士法人みやび(要警戒)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 運営型 | 弁護士法人 |
| 料金 | 27,500〜77,000円 |
| 合法性スコア | ★★★(3/5・要警戒) |
| こんな人におすすめ | 慰謝料・残業代を会社に請求したい人 |
強み
- 慰謝料請求・残業代請求まで対応
- 有給消化交渉までワンストップ
- 訴訟になっても代理人として継続対応
注意点
- 2026年2月の所属弁護士起訴により最新動向の確認が必要
フォーゲル綜合法律事務所
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 運営型 | 弁護士法人(嵩原安三郎弁護士) |
| 料金 | 22,000円〜(ライトプラン) |
| 合法性スコア | ★★★★★(5/5) |
| こんな人におすすめ | 弁護士型で料金を抑えたい人 |
強み
- 弁護士運営でこの料金水準は希少
- 嵩原弁護士はYouTubeで労働問題を解説、情報発信の透明性が確認できる
- 公開実績多数
注意点
- プランによって対応範囲が異なる(公式で要確認)
労組直営型|労組法6条の団体交渉権
退職代行Jobs
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 運営型 | 労働組合(弁護士監修付き) |
| 料金 | 27,000円 |
| 合法性スコア | ★★★★(4/5) |
| こんな人におすすめ | 有給消化交渉まで含めて安心して進めたい人 |
強み
- 労組直営による団体交渉権ベースの交渉
- 弁護士監修で書面・進行が整備
- 全額返金保証を公式に掲げる(条件は公式で要確認)
注意点
- 慰謝料請求・訴訟は対応範囲外(必要なら弁護士型へ)
退職代行ガーディアン
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 運営型 | 東京労働経済組合(合同労組) |
| 料金 | 19,800円(一律・追加料金なし) |
| 合法性スコア | ★★★★(4/5) |
| こんな人におすすめ | 料金を抑えつつ労組型を選びたい人 |
強み
- 老舗の合同労組運営
- 一律料金で追加費用が発生しない明朗会計
- 即日対応の実績多数
注意点
- オプション拡張は最小限の設計
状況別の選び方
- 慰謝料・残業代を会社に請求したい
→ 弁護士法人型(フォーゲル) - 会社から損害賠償をほのめかされている
→ 弁護士法人型(フォーゲル) - 有給消化・退職金の交渉までしたい
→ 労組直営型(Jobs・ガーディアン) - シンプルに辞意伝達のみで十分
→ 労組直営型(ガーディアン)が安全 - 非弁リスクを最小化したい
→ 運営型を「弁護士法人」または「労組直営」に限定

まとめ:「合法性で守る」が選び方の核
🎯 結論再掲
- 非弁行為=弁護士でない者が報酬目的で法律事務を扱うこと(弁護士法72条違反)
- 非弁提携=民間業者と弁護士の不適切な紹介関係(27条+72条)
- 民間業者は「使者」の範囲のみ合法。交渉に踏み込めば違法リスク
- 労組型は労組法6条の団体交渉権で労働条件交渉が可能
- 弁護士法人型はすべての法律事務を扱える
- モームリ事件以降、提携の透明性まで確認する目線が必須
合法性で選ぶなら「弁護士法人型 or 労組直営型」の2択。料金差より法的安定性を優先しましょう。

よくある質問(FAQ)
Q1. 退職代行は本当に違法ではないのですか?
A. 一般論として、弁護士法人または労働組合が運営する退職代行は合法です。民間業者は本人の意思を伝える「使者」の範囲にとどまる限り合法ですが、交渉や請求に踏み込むと弁護士法72条との関係で違法となり得ます。運営型を確認するのが第一歩です。個別事案については弁護士にご相談ください。
Q2. 弁護士法72条に違反した場合の罰則は?
A. 弁護士法77条により、2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります(出典:e-Gov 弁護士法第77条)。法人として運営している場合は両罰規定により法人にも罰金が科され得ます。モームリ事件で運営者が逮捕に至ったのもこの罰則規定が根拠です。
Q3. 「弁護士監修」と「弁護士運営」はどう違いますか?
A. 「弁護士運営」は弁護士法人または弁護士事務所が直接サービスを運営している状態で、案件ごとに弁護士が代理人として対応します。「弁護士監修」は業者が弁護士に内容確認や書面チェックを依頼している関係を指し、案件ごとに弁護士が代理人になるわけではありません。慰謝料請求まで含めたい場合は監修ではなく弁護士運営型を選ぶ流れが一般的です。
Q4. 労働組合はなぜ会社と交渉できるのですか?
A. 労働組合は労働組合法第6条により団体交渉権を持ちます。これは憲法28条の労働三権(団結権・団体交渉権・団体行動権)に根拠を持つ権利で、弁護士法72条の例外として整理されます(出典:e-Gov 労働組合法第6条)。賃金・有給・退職金などの労働条件は組合の交渉範囲に含まれます。
Q5. モームリ事件後、利用しても大丈夫な業者はありますか?
A. モームリ事件は民間業者と弁護士の非弁提携が問題視されたケースです。弁護士法人が直接運営する業者(フォーゲルなど)や、労働組合が直営する業者(ガーディアン・Jobsなど)は構造が異なるため、別物として整理されます。「労組提携」「弁護士監修」と表記している業者を選ぶ場合は、組合員資格・登録番号・所属弁護士会まで確認するのが安全です。
Q6. 民間業者を使った後でトラブルになったら誰に相談すべきですか?
A. 一般論として、まずは国民生活センター(消費者ホットライン188)に相談する流れが一般的です。法律的なトラブル(会社からの損害賠償請求、未払い賃金など)が発生している場合は、法テラスや各地の弁護士会の労働相談窓口を利用できます。個別事案については弁護士にご相談ください。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な対応については、弁護士または労働基準監督署にご相談ください。料金・サービス内容は2026年5月10日時点の公式公表値です。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。合法性スコアは編集部独自の評価指標であり、特定業者の違法性を断定するものではありません。モームリ事件に関する記述は2026年5月10日時点の報道情報に基づいており、最終的な有罪・無罪の判断は今後の公判で示される見通しです。
参考文献(一次情報URL)
- e-Gov 法令検索 弁護士法(72条・27条・77条):https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205
- e-Gov 法令検索 労働組合法第6条:https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174
- e-Gov 法令検索 労働基準法:https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
- 帝国データバンク「退職代行業52法人」調査(2025年10月24日公表):https://www.tdb.co.jp/report/industry/20251024-taisyoku25y/
- 弁護士ドットコムニュース 2026/2/3 モームリ逮捕報道:https://www.bengo4.com/c_1009/n_19954/
- 時事通信 2026/2/24 弁護士起訴報道:https://www.jiji.com/jc/article?k=2026022401063&g=soc
- 第一東京弁護士会 公表:https://www.ichiben.or.jp/news/oshirase/news/2026020530252.html
- 東京弁護士会「退職代行サービスと弁護士法違反に関する注意喚起」(2025年10月):https://www.toben.or.jp/news/2025/10/post-980.html
- 東京商工リサーチ「退職代行からの連絡、企業の3割取り合わず」(2026年4月):https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1202753_1527.html
- 弁護士ドットコムニュース 2026/3 追送検報道:https://news.yahoo.co.jp/articles/bf9c7b59d9da4dc2e7b293da2ebce8a3a502e3e7
- ITmedia NEWS 2026/4/23 モームリ受付再開:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2604/23/news121.html
- 厚生労働省「労働組合のしくみ」:https://www.mhlw.go.jp/
- 国民生活センター:https://www.kokusen.go.jp/
- 弁護士法人みやび 公式:https://taishoku-service.com/
- フォーゲル綜合法律事務所 公式:https://enman-taishokudaikou.com/
- 退職代行Jobs 公式:https://jobs1.jp/
- 退職代行ガーディアン 公式:https://taisyokudaiko.jp/
※報道URLは時期により記事公開期間が終了する可能性があります。fact-checkerによる検証時点で生存しているURLのみを最終版に残します。


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