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先に結論です。退職コンシェルジュは、傷病手当金や失業保険(雇用保険の基本手当)の申請をサポートする民間の有料サービスです。案内される給付は既存の公的制度であり、同じ申請は本人が無料で行えます。国民生活センターは2025年12月3日、この種のサービスへの注意喚起を公表しており、利用前に料金体系と社労士法上の位置づけを確認することが重要です。
この記事の要点
- 退職コンシェルジュが案内する給付(傷病手当金・失業保険)はどちらも無料で自力申請できる公的制度。
- 料金は受給総額の10〜15%が目安とされており、数十万円規模になることがある。
- 国民生活センターは2025年12月に注意喚起を公表。不正受給リスクは依頼者本人に帰結する。
退職コンシェルジュとはどんなサービスか
退職コンシェルジュは、CREED BANK株式会社(東京都豊島区)が2016年に開始した、社会保険給付金の申請サポートサービスです。公式サイトによると、弁護士・社労士と顧問契約を結んだ体制で運営しているとされています。
サービスの柱は2点です。
- 傷病手当金のサポート:病気・ケガで働けない状態にある退職者向けに、健康保険からの給付申請を支援する。
- 失業保険(雇用保険の基本手当)のサポート:求職中の離職者向けに、ハローワークでの給付申請を支援する。
いずれも、既存の公的制度をもとにした申請補助です。退職コンシェルジュが新しい給付金を創設したり、通常より多く受け取れる制度を紹介したりするわけではありません。
サービスの流れは、無料のWEB説明会→個別相談→契約→申請サポートという段階を踏む形式とされており、契約後に専任担当者が書類準備や手続きのアドバイスを行うとされています。
料金体系の概要
複数の調査報道や公式情報をもとに確認できる範囲では、退職コンシェルジュの手数料は受給総額の10〜15%程度が目安とされています。具体的な金額は、申請する給付の種類・受給期間・個人の収入水準によって変わるため、個別面談で提示される形式です。
仮に受給総額が400万円であれば、手数料は40〜60万円規模になる計算です。
- 全額返金保証:依頼者側に過失がない場合に限り、受給できなかった場合は返金対象とされています。
- 後払い対応の可否・解約条件:公式ページ上の記述は変動することがあるため、契約前に書面で確認することが推奨されます。
なお、同様のサービス全体を対象とした国民生活センターの相談事例には「解約を申し出たら高額な違約金を請求された」という内容が含まれています(後述)。
国民生活センターが注意喚起した内容(2025年12月3日)
国民生活センターは2025年12月3日、「失業保険の給付額等を増やすことができるとうたう申請サポートに注意」という情報提供を公表しました(出典:国民生活センター 2025-12-03)。注意喚起の対象は、退職コンシェルジュ単体ではなく、同種のサービス全体です。
相談件数は2021年度の42件から2025年度(10月末時点)の216件へと急増しており、相談内容には以下のようなケースが確認されています(出典:時事通信 2026年1月7日)。
- 「給付額を増やせる」と勧誘されて数十万円を支払ったが、説明どおりには受給できなかった。
- 解約を求めたところ高額な違約金を請求された。
- 指定クリニックで「実際とは異なる診断を受けるための受け答え方」を案内された(不正受給を誘導するリスク)。
注意喚起は特定業者の名指しではなく、こうした勧誘パターン全体への警戒を促す内容です。退職コンシェルジュが国民生活センターから個別に指摘を受けたという公的記録は本記事執筆時点(2026年6月)では確認できていません。ただし、同種サービスのカテゴリとして注意喚起の対象ジャンルに含まれます。
社労士法との関係:申請代行は資格者の独占業務
社会保険労務士法第27条は、社労士または弁護士以外の者が、雇用保険・健康保険の申請書類を報酬を得て作成・提出代行することを禁じており、違反した場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる可能性があります(出典:e-Gov 社会保険労務士法)。
退職コンシェルジュは公式サイト上で社労士・弁護士との顧問契約を明示しているとされており、この点は他の無資格業者との違いにあたります。ただし、契約内容の詳細や実際の関与形態は、利用前に書面で確認する必要があります。
一般論として、サポートサービスを検討する際には「誰が実際に書類作成・提出を担うのか(資格者本人か、それとも無資格スタッフがオペレーションを行っているのか)」を確認することが重要です。全国社会保険労務士会連合会も、無資格者による業務侵害への注意を呼びかけています(出典:全社連)。
同じ申請は無料でできる
退職コンシェルジュが案内する2つの給付は、いずれも本人が直接申請できます。
傷病手当金:協会けんぽまたは加入する健康保険組合へ。申請書は公式サイトから無料でダウンロードでき、書き方は窓口でも確認できます(協会けんぽ 傷病手当金)。書類は「被保険者記入欄」「医師記入欄(労務不能の証明)」「事業主記入欄(休業期間の証明)」の3パートで構成されており、1か月ごとに提出するのが基本です。
失業保険(雇用保険の基本手当):住所地のハローワークへ。離職票を持参して求職申込みを行えば、手続きの手順は窓口で案内されます(ハローワーク 雇用保険手続きの流れ)。
どちらも手数料はかかりません。「申請が複雑で自力では無理」という前提でサービスを訴求している広告は、その前提自体を一度冷静に検討する価値があります。
給付金サポートサービス全般の注意点については退職給付金サポートは怪しい?国民生活センター注意喚起と自力申請の話もあわせて参照してください。また、給付金の種類と受給条件の全体像は社会保険給付金サポートとはでまとめています。
利用を検討する前に確認したい4点
- 資格者(社労士・弁護士)が実際の申請業務に関与しているか、契約書に明記されているかを確認する。
- 料金の総額・支払いタイミング・解約条件を書面で事前に取得する。口頭説明のみで契約しない。
- 「診断書が必要」と言われた場合、その指示が医師の独立した判断ではなく業者側から誘導されているとしたら、不正受給リスクにつながりかねない。判断は主治医に委ねる。
- 少しでも不安を感じたら、契約前に消費者ホットライン188へ相談する。最寄りの消費生活センターへつないでもらえます。
退職後のお金の不安(受給額の見通し・家計設計)を整理したいときは、給付金の申請代行とは別に、FP(ファイナンシャルプランナー)への無料相談という選択肢があります。
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公的団体(非提携):日本FP協会の無料相談
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参考文献(一次情報)
- 国民生活センター「失業保険の給付額等を増やすことができるとうたう申請サポートに注意」(2025-12-03) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20251203_1.html
- 時事通信「『うつ病』虚偽診断の誘導も 失業保険サポートでトラブル急増」(2026-01-07) https://www.jiji.com/jc/article?k=2026010700142&g=soc
- e-Gov 社会保険労務士法(第27条・業務の制限) https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC1000000089
- 全国社会保険労務士会連合会「非社労士による業務侵害にご注意ください」 https://www.shakaihokenroumushi.jp/consult/tabid/220/Default.aspx
- 協会けんぽ 傷病手当金(給付と手続き) https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/injury_and_sickness_allowance/index.html
- 厚生労働省・ハローワーク 雇用保険手続きの流れ https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.html
免責:本記事は一般的な情報提供であり、特定事業者の利用を推奨・否定するものではありません。給付の可否・金額は個別事情によって異なります。申請内容に疑問がある場合は、社会保険労務士・ハローワーク・各保険者・消費生活センター(188)にご相談ください。

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